ドイツ
首都ハブ空港かカーゴ専用空港か 【2004年3月8日】
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 ドレーヴィッツ飛行場(Flugplatz Drewitz)。このほとんど無名の地方空港が世界トップレベルのカーゴハブ空港になるかもしれない。というのは、このベルリンから東南、ポーランドとの国境に近い元軍用飛行場に、アメリカ合衆国のエリー国際空港とエリー・アヴィエーション社(Erie Aviation Inc.)が数年間に3500万ユーロの投資を行い、香港、ドバイに次ぐ世界3位の航空貨物ハブ空港に拡張しようと計画しているというのだ。2004年の夏に計画がスタートすれば、現在2500mの滑走路は、2年間のうちにジェンボジェット(ボーイング747)の離着陸可能な3000mまで延長されるとのこと。


 ドイツ西部に比べ高い失業率に悩むドイツ東部、ブランデンブルク州にとっては、願ってもないビジネスチャンスの到来だが、これまで進めてきた航空政策との摩擦が生じるのも必定だ。これまでベルリン市およびブランデンブルク州は、ベルリンに隣接するシェーネフェルト空港を拡張し、首都空港にふさわしい大空港に、東部ドイツと中欧のハブ空港にしようとの方針で航空行政の舵取りをしてきた。貨物も旅客も首都の大空港に集めようとの構想で、シェーネフェルト空港を運営する企業もそのつもりで拡張を準備してきた。
 ヨーロッパでは格安航空会社の躍進が顕著だが、アイルランドのライアンエアーはその雄ともいえる存在。そのライアンエアーは、安い空港使用料を見込んでベルリンへのアクセスの可能なノイハルデンベルク飛行場(ベルリンから東方)の使用を申請していた。しかしこの申請は2003年の末に拒否された。背景にはシェーネフェルト空港への集中方針があったのだろう。
 では今回のドレーヴィッツの場合はどうか。アメリカの投資家は、投資プロジェクトのスタートを確実視しているが、そこには州とその経済振興公社のお墨付きがあるからのようだ。ドイツの各州は、経済振興公社という独立行政法人を持っており最近は州内への企業誘致に力を入れているが、2002年以来、ブランデンブルク州の経済振興公社がこの投資誘致に関わっており、現在の州経済相もこの計画を知っているというのだ。
 ドイツには、すでにフランクフルト・マイン空港があり、ロンドン(ヒースロー空港)、パリ(シャルルドゴール空港)とヨーロッパ第一のハブ空港の座をめぐってしのぎを削っている。そこにシェーネフェルト空港を拡張した「ベルリン・ブランデンブルク国際空港(BBI)」が新たに割って入ろうというのだから、ただでさえ新空港の苦戦は明らか。そこへさらに貨物専用空港が別にできるというのだからBBI側は穏やかではない。
 アメリカの投資企業は、夜間離発着が制限される可能性のある大都市隣接空港(BBI)では、航空貨物にとって意味がないと表明している。計画通りにプロジェクトが進めば、BBIよりも先にドレーヴィッツが本格運用を始める。首都ハブ空港の実現は、またも支柱が揺らぎ始めたようだ。【長嶋】

参考リンク
ドレーヴィッツ飛行場www.flugplatz-cottbus-drewitz.de
BBIwww.berlin-airport.de/bbi



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