ドイツ
ドイツ職業仲介制度改革 【2004年7月17日】
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 2004年7月、ノイハルデンベルクで行われた政府首脳の会談が行われ改革継続についての方針が話し合われたが、改革の一角を構成する職業仲介制度改革も新たな段階に達した。Hartz-IV法と呼ばれる法律が、それを規定しているが、ドイツの労働市場対策は将来どのように変化するのか。ここではいくつかのポイントをいくつか紹介する。




失業保険給付金 II (Arbeitslosengeld II)
 就業可能な(erwerbsfähig)長期失業者は、これまで支給されていた失業手当・生活保護手当(Arbeitslosen- und Sozialhilfe)ではなく「失業保険給付金 II」と呼ばれる扶助を受給することになる。これによって、家族の資産が支給額の計算に加味されるため、結果的に額は低減されることになる。
 ちなみに「就業可能な」とは、通常の条件で毎日3時間以上働けるということを意味する。

職業紹介
 長期失業者は、ジョブセンター(Jobcenter)がその支援を一手に引き受ける。ジョブセンターは、長期失業者に関して個別のカルテを作成する。

若年失業者
 25歳以下で失業給付を申請したものは、職、職業訓練、職業準備のための資格取得、職業実習のいずれかを遅滞なく仲介される。

要求できるものを(Zumutbarkeit)
 長期失業者は、これからは「妥当な」仕事は何でも受け入れなければならなくなる。つまり以前ついていた職業と関連がないということ、職場が遠いということは、もはや仲介された職を拒む理由として認められなくなる。業界の賃金表や地域の一般的な報酬レベルの職ならば、長期失業者は拒むことができなくなる。

制裁条項(Sanktionen)
 失業者が、「妥当な」職業、職業訓練の仲介を拒否した場合には、上述の「失業保険給付金 II」は、3ヶ月にわたって100ユーロ減らされる。この制裁は、失業者が職探しに熱心でないとみなされる場合にも適用される。

追加収入(Hinzuverdienst)
 これからは、従来の生活保護においてよりも追加収入を得ることが許される。ただし限度額を超えた分については、「失業保険給付金 II」に換算される。

補助金
 失業保険受給者が、その生活費を賄うのに十分でないような職を受け入れた場合には、ジョブセンターの判断により給与補助が認められる。

社会保険
 「失業保険給付金 II」の受給者は、将来、健康・介護保険および年金掛け金を自ら負担しなくてはならない。


 以上が失業に関連する法律の要点であるが、法律はさらにこれらを実行するために自治体への財政援助を規定してる。
 要約すれば、この法律では長期失業者に対しては、権利としての労働から、義務としての労働へと政府の姿勢が変化したと言えるだろうか。改革の成果を判断する基準として、400万を越える失業問題の解消があり、それは国民が現政権に期待するところでもあった。この課題への政府の出した解答は、長期失業者にとっては厳しいものと言わざるを得ないだろう。彼らには当局による監視が強まるということか。【長嶋】

関連リンク
Agenda 2010 www.agenda2010.de



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