ドイツ
天国の門をくぐる銀行 【2004年10月8日】
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コメルツバンクとテュフマーク
TÜVマーク
 ドイツで最近放映されているテレビコマーシャルの1シーン。ネクタイとスーツ姿のサラリーマン風の男性が数人、雲の上に現れる。そこへ登場するのが、白い服をまとい頭上に環を輝かせた天使(?)。(注)その天使が男たちに問いかける:
 「汝らを入れる前に・・、汝らはファンドに関して、いつも客観的な助言をしてきましたか。」と。



 どうも男性たちは財務コンサルタントで、天使は、彼らが天国への門を通る資格があるかどうか、生前の行いを審問しているようだ。

 男性たちは、口をそろえて答える:
 「はい、もちろん。」と。

 そこで天使は、質問を続ける:
 「では、証明もできますか。」と。

 男性たちは、シーン・・。どうすれば良いのかと顔を見合わせる。何ともドイツ的な問答だと思うのは、私だけだろうか。この国では何事も証明が重要。ドイツ人が作り出す天国もやはり証明なしでは入れないのか。

 天使は自分の耳に手を当て、誰か証明できると答えられる者はいないのかとばかり、男たちを見回す。すると一人が「はい、もちろん。」と答え、胸に「TÜV」と書かれたワッペンをパーンと貼付ける。

 チーンと鐘が鳴り、門が開いて、胸にワッペンをつけた男は天国へと導かれ、他は雲の下に沈んで行く、というもの。証明できなかった彼らは地獄行きなのか。どこのコマーシャルかというと、ドイツの大手銀行コメルツバンク(Commerzbank)のもの。同銀行が、自分にとって都合の良い銘柄ではなく、顧客にとって有利なファンドを勧めているという宣伝なのだ。
 そしてその証明として使われたのが、テュフ(TÜV)、すなわちドイツの「技術監査協会」の認定。TÜVは工業製品の試験認証機関として有名で、名前の通り「技術」に関するものを思い浮かべるが、このコマーシャルに出て来るように金融サービスの認証も行う。
 新聞報道によれば、90年代はISOといった工業分野での認証ブームが起こったが、最近のドイツでは金融業にそのブームが押し寄せてつつあるとのこと。コマーシャルで紹介したコメルツバンクの他にもノーリスバンク(Norisbank)がすでにTÜVの認証を受けており、ヒュポフェラインバンク(Hypo Vereinbank)なども顧客サービスのクオリティーの認定検査を検討しているという。

 再編まっただ中の日本の金融界、天国の門をくぐる銀行はあるだろうか。【長嶋】
(注)当初、天使だと思ったが、天使にしては随分と老けている。bmk創設メンバーの佐藤氏に『聖書事典』を調べてもらったところ、天使ではなく使徒ペテロではないかという回答を得た。マタイ伝(16章16-18)にキリストがペテロに、天国の鍵を渡す場面があるとのこと。とするとコメルツバンクのコマーシャルで天国への門を開けたのはペテロであろう。ただ、天国への門を通るのにTÜVの認証が必要だとはどこにも書いていないようだが。佐藤氏の協力に感謝。


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