社会/環境
ドイツ人の環境意識と現実 【2004年10月3日】
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 ドイツ人は、環境保護をかなり重要なことと認識しているが、実践がともなっていない。そんな推論が、連邦環境庁が実施した「環境意識」に関するアンケート調査から出てくるようだ。このアンケートは、2000年から2年おきに実施されているもので今年で3回目になる。アンケートは、2000人の市民を対象に今年の春に実施された。(注1)
 アンケートにおいて「ドイツで最も重要な問題は?」との質問に対して、1位は労働市場、2位は経済状況、3位に社会問題/社会的公正、そして環境保護が同順位で3位にランキングされている。環境保護の順位は、2000年、2002年に比べてランクを1つ上げている。またアンケート参加者のうち92%が、自然保護を「非常に重要」ないし「かなり重要」と回答しており、さらに「景観の美しさと郷土の独自性を維持、保護するべきだ。」という命題に対して93%もの回答者が、賛成している。気候保全政策でドイツがEUの中で先駆者としての役割を果たすことに賛成する割合は、前回の47%から56%に上昇している。ここまで見てみると、さすがは環境先進国の国民、環境に関する意識も高い、ということになる。


 一方、自動車の利用を減少させるような交通政策に賛成しておきながら、短距離でも自動車を利用すると回答した割合は、前回の38%から45%に上昇している。ちょっと言うこととやることが矛盾してないかと思いたくなる。また環境税に関しては、それに賛成するのは4分の1あまり。回答者の3分の2が、風力発電の拡大に賛成しているものの、エコ電力(再生可能エネルギーで発電された電力)を利用しているのは3%に過ぎない。普及しない理由は、情報不足もあるが割高な料金にあると言う。エコ電力の利用を直接契約しなくても、再生可能エネルギー法により通常電力の料金にもエコ発電のコストが含まれているので、間接的にはそれを利用している、と言えないこともないが・・。
 このように見て来ると、環境保護に関して、言うは安し行うは難し、というドイツ人像が浮かんで来る。環境を大事にしているわりに、大都市の歩道に犬の排泄物を置き去りにする飼い主が多いのは、まさか街路樹への施肥のつもりではないだろう。(注2)【長嶋】


(注1)アンケート調査の結果(Umweltbewusstsein in Deutschland 2004 - Ergebnisse einer repräsentativen Bevölkerungsumfrage (Stand: Juli 2004))は、連邦環境省のホームページで注文できる。
(注2)犬の固形排泄物に関しては、まだまだ多いもののここ数年でかなり減少したように思うが筆者の気のせいだろうか。データがあるわけではないが、もし減っているとしたら、その点ではドイツ人の環境保護実践が普及して来ているということだろう。この点ではドイツ人を弁護しておきたい。



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