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週末はビュッフェ 【2005年4月3日】

 大皿に盛られた料理を一定料金、セルフサービスで好きなだけ食べられる食事形式をなんと呼ぶ? 「バイキング料理」? たしかに日本語でそう呼ぶかもしれない。なぜそう呼ぶのか、ある辞書では、
日本で、Viking(=八〜十世紀ごろの北欧の海賊)の荒っぽい食べ方になぞらえて言う。(『岩波国語辞典第五版』(岩波書店))
という説明を見る。バイキング (Viking) をただ「海賊」と規定した上に、その食べ方を「荒っぽい」と評価したのは、西欧的な偏見をそのまま輸入した感があるが、食べ放題となると荒っぽくなるというのは、日本的な発想で微笑ましい。
ビュフェーの一例
				ベルリン、Pariser Straßeのカフェーにて
ビュフェーの一例
ベルリン、Pariser Straßeのカフェーにて
 ドイツでは、こういう食事をビュフェット (Büfett)、ビュフェー (Büffet) と呼ぶ。フランス語起源の言葉でちょっとお上品にということなのだろうか。ドイツのホテルの朝食では、この形式が一般的で並ぶ料理の数は、かなり多く、大陸は「コンチネンタルブレックファスト」だろうと、フランスのホテルの朝食を想定しているとびっくりすることがある。

 このビュフェー、週末になると街のあちこちのカフェーやレストランでブランチビュフェーとして提供されている。値段は5〜10ユーロほどだろうか。時間もまちまちだが、正午を挟む数時間ということが一般的だろう。もちろん日本でも「ビュフェー」、否「バイキング料理」はあるが、ベルリンなどドイツの大都市でのようにあちこちでというわけではないので、それほど一般的というわけではない。またドイツでは特に週末にというところも日本にはない特徴だ。
 なぜドイツでは、週末にビュフェーが出るのだろうか。ちょっと考えてみた。まずは需要の側面。ビュフェーには、様々な人が訪れる。友達や恋人同士。そして家族連れ。訪問者に統計的な偏りがあるかどうかはわからないが、皆週末のひと時をのんびりと食事を楽しみ、そこで読書に耽り、またおしゃべりに講じる。これは、ドイツ人の週末の過ごし方の典型ではないだろうか。つまり週末というのは、外で食事をするにしても、のんびりと過ごす。いわば何もしないというところに特徴がある。そういう週末には、ビュフェーはぴったりなのだろう。
 そして次に供給の側面。これは、需要の側面とも関係する。つまり、ドイツ人の週末の過ごし方が「何もしない」ということを理想としているとすれば、そういうときに労働力を確保するのは難しいということになる。人が休んでいるときに自分だけが働くというのはドイツ人の好むところではない。それに日曜は皆一斉に休みをとるべきだという考えは、「閉店法」が緩んで来た今でもかなり強い。そういう状況では、ビュフェーというセルフサービスは、料理を提供する店の側にとっても、労力を省けるということで、好都合なやり方なのではないだろうか。
 このバランスが、ドイツのビュフェーを成立させている、というのが私の結論なのだが、読者諸氏はいかが思われるだろうか。ドイツの街に来て、週末には買い物をするわけでもなく、観光をするわけでもなく、カフェーでブランチを楽しんで、地元の住人に成り済まし、同じ視点で街を見回してみる。そんな楽しみ方はいかがだろうか。【長嶋】

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