ベルリン
ノイ・ヴェネディッヒ(新ヴァネチア)【2004年5月24日】
 世界のヴェネチア、東洋のヴェネチア、小ヴェネチア・・。イタリアの、かの「ヴェネチア」の名は、世界中いたるところで使われている。そしてそう呼ばれる場所は、何らかの形で本家の「ヴェネチア」を思い起こさせてくれる。
 ベルリンの東部にも、まさに「新ヴェネチア」と呼ばれる地域がある。ここには、小さな橋や運河が次々に見え隠れする魅力的な水郷風景が展開する。
 特にお勧めなのは、この地域に隣接する湖グロース・ミュッゲルゼーで遊覧船に乗り込んで新ヴェネチアを訪ねること。遊覧船は、およそ1時間かけて湖を横断し(往復すると3時間)、ミュッゲルシュプレーと呼ばれる水系に入り、新ヴェネチアへと至る。船は、上り下りする他の船やカヌーとすれ違いながら、静かな風景の中を進んで行く。運河の左右には、空間を贅沢に使った瀟洒な家々や週末滞在用のバンガローが建てられており、水郷風景に彩りを与えている。屋敷の持ち主は、庭でバーベキューパーティーを開き、釣りを楽しむ。本家のヴェネチアに比べれば、太陽が顔を出すことはそれほど多くはないとはいえ、日光浴を満喫することもでき、庭や桟橋からは、水鳥を眺めて楽しむこともできる。
 遊覧船は、停泊を繰り返し、乗客を降ろしては、小さな集落を通過して行く。
 この辺りは、日帰りの小旅行にも悪くはないが、魚料理を出すレストランを備えたホテルも多く、泊まりがけの滞在にも適している。刺激的な体験があるわけではないが、忙しない大都会ベルリンに滞在した後に、数日を静寂の中で過ごすのも悪くはない。

フォトギャラリー:新ヴェネチア
週末滞在用の簡易住宅
湖畔の別荘
ベルリンの水郷地帯
水鳥の親子
週末を過ごすためのバンガローや簡易住居(舟着き場付き)
瀟洒な別荘も
静寂が支配する運河
初夏には水鳥の親子の姿も

行き方
 グロース・ミュッゲルゼーの船着き場の最寄り駅は、ベルリンのSバーン駅オストクロイツ (Ostkreuz) からS3でエルクナー (Erkner) 方面へ向かったフリードリヒスハーゲン (Friedrichshagen)。その駅をベルシェシュトラーセ (Blschestrae) 通りの方に出て、商店、レストラン、カフェーの並ぶその通りを街の中心部に向かって進む。500 m ほど進み、ミュッゲルゼーダム (Mgelseedamm) 通りまで来たら、その道を渡り、左へ曲がってヨーゼフ・ナブロッキー・シュトラーセ (Josef-Nawrocki-Strae) 通りに入る。さらに100 m ほど行きくと湖の船着き場に到着する。
【文:佐藤サンドラ、訳:長嶋】

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フリーランスのリサーチャー、翻訳者、通訳者
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