今年6月、ボンで開催される国際再生可能エネルギー会議を控え、WBGU(ドイツ連邦政府地球気候変動諮問委員会)が17日、政府に対し太陽光エネルギーの積極利用を骨子とする意見書を提出した。それによれば2100年までに太陽光エネルギーの割合が世界エネルギー需要の60%以上になるように、その利用を促進すべきだということだ。それには世界の太陽光エネルギー利用は毎年26%の成長を続けなければならない。
WBGUが、再生可能エネルギーの中でも太陽光エネルギーの積極利用を推奨したのは、他の再生可能エネルギー利用にはすでに限界が見えているからということだ。風力発電では、現在の世界エネルギー需要の30%、水力は3.5%、地熱は7%、植物性のエネルギー源からは24%までしか賄えないということだ。植物性のものなら農業を総動員すればもっと拡大ができると考えがちだが、エネルギー用植物の過度の栽培増大が生態系バランスを崩し、あるいは食糧の供給を犠牲にするということは避けねばならないと、意見書では主張されている。
ではどこでどう太陽光エネルギーを利用すれば良いのか。WBGUは、北アフリカ諸国での太陽電池、太陽熱利用発電所の建設を提案している。またサハラ砂漠は、大規模な風力発電所の建設にもふさわしい地域だということ。そのようにして得られた電力は、ヨーロッパに運ばれて消費される。それによりアフリカ諸国の政治的な安定にも繋がる可能性があるということだ。
風が吹いて、日が照れば桶屋が儲かるというようにも聞こえるが・・。【長嶋】
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