会場を後にして
水素の貯蔵、利用、生産、監視・管理など、様々な方面からの技術紹介があったが、水素燃料はその単 独での利用ばかりではなく、他のエネルギー同士の結節点の役割も期待されている。
風力、太陽光など自然のエネルギーを利用した発電装置は、将来、一層の増加が予想されている(ちな みにドイツの風力発電量は、現在世界一となっており、現政権は、2030年までにドイツ全土の電気消費量の25%を風力発電で賄おうとの計画を持ってい る)。しかしこれらのエネルギーの弱点として、自然に左右され、必ずしも必要なときに必要なだけ発電するということができないということが挙げられる。そ の調整役として、水素燃料が期待されている。つまり風や太陽光を利用して発電した電力のうち、あまった分を、水素の生産に向け、水素燃料をいわば電気の貯 蔵庫としようというもの。通常では保存できない電気のダムというわけだ。
ダイムラークライスラー社が開発中の燃料電池自動車のように、実用化を目前に控えたものから、利用 方法、コンセプト作りがスタートしたばかりのものまで、水素燃料には様々な用途・期待が寄せられているが、未来エネルギーの一角を占めること、産業・経済 への波及効果が期待されることだけは確かなようだ。
我々BMKは、今後も水素燃料、燃料電池の発展を見守っていくことにしたい。【長嶋】
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