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テロ・トポグラフィーと人権 【2005年1月3日】
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撤去されるモンタージュタワー

 ナチズムのテロを後世に伝え、人権擁護と国家テロ防止を祈念するテロ・トポグラフィーのゲレンデが動き出した。2004年12月3日。四年に渡って同じ様相を呈したまま雑草が伸びるに任せられていた区画である。2004年初夏には、これまでの計画が変更され、新しいコンペの開催が決定されていた。この日始められた工事は、途中まで建設された階段の躯体を解体するものだ。この間には一つの裁判劇があった。

 ベルリン州による計画変更および新しいコンペ開催の決定は、建築家ツムトーアにとって寝耳に水のことであったし、建築家としての名声を損なうものと考えられた。ツムトーアは、ベルリン州を相手取って名誉毀損の撤回と記念館の竣工保証を求めて裁判を起こしたのである。人権擁護を祈念すべきテロ・トポグラフィーは、一人の建築家の人権を蔑ろにしてしまったのだろうか。

 地方裁判所と州裁判所は、ツムトーアの訴えを棄却した。これを不服としたツムトーアは連邦憲法裁判所Bundesverfassungsgerichtに起訴した。憲法裁判所は、ドイツ連邦共和国すべての司法の頂点に立ち、行政および立法から完全に独立した立場に立っている裁判所で、カールスルーエという街に設置されている。ドイツの憲法たる基本法Grundgesetzのみに拠って立ち、それ以外のいかなる影響からも超越した存在として保証されている。裁判所というが、ほとんどの場合は決定がなされるだけで判決が出ることはほとんどない。

 今回の裁判でも、11月24日に下されたのは判決ではなく決定であった。決定はツムトーアの訴えを退け、施工主としてのベルリン州の決定を基本法に鑑みて合法であるとした。ツムトーアは著作権侵害も併せて訴えたが、工事の進退そのものに関しては施工主に決定権があるとする判断に拠った。

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解体される階段部分の躯体
 最終決定が下りたことによって、解体工事と新しいコンペの話がはじめて具体的になった。新しいコンペの開催を前に解体工事が進められていく。その音は、竣工を見ることなく解体されていく建物の無念を聞くようだ。それとは逆に、着工前からツムトーア案に批判的であったテロ・トポグラフィー財団の声は明るい。11月30日のインタビューで、ナハマ会長は2005年2月までにコンペを開催すること、2005年末までには最優秀賞を選びたいことを明言した。記念館は単なる建造物ではない。祈念する対象とその意味を理解した上で、場に相応しく現実的な構想を呼び掛けている。【tk】


参照: 連邦憲法裁判所の決定プレスリリースwww.topographie.de
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【関連記事】テロ・トポグラフィー(テロの地勢図)【2004年7月19日】


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