2004年夏の航空ダイヤが発表された。ベルリンの3空港(テーゲル、テンペルホーフ、シェーネフェルト)には22の新路線が加わり、ベルリンは45カ国の105都市と直行便によって結ばれることになった。
ヨーロッパでは空港を持たない小都市(リヒテンシュタインなど)を対象としなければ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとアルバニア、スロヴァキア、スフォヴェニア、モルダヴィア (CIS)をのぞく各国に就航している。この点ではベルリンの利便性は高まったと言えるが、アジア、アフリカ、アメリカ方面に目を向けると、北アフリカの数カ国と中近東に路線がある他は、ドミニカ共和国、キューバやスリランカといった観光地に就航している以外、長距離を飛ぶ直行路線の設定はない。アメリカでは2001年以来、直行便の就航はなく、2005年の夏よりベルリン−ニューヨーク線の再開が予想されているのみ。東アジアの政治・経済中心地である東京、北京、上海、香港、シンガポールへの直行便もなく、中国の航空社との交渉が開始されていると言うが、ベルリンを世界の経済的メトロポールに列するのははばかられる。
ベルリンの空港、特にシェーネフェルト航空の利用者増大に大きく貢献しているのは、やはりヨーロッパのトレンドである格安航空会社。アイルランドのライアンエアーばかりでなく、いよいよイージージェットもこの空港への乗り入れを開始した。
EUの東方拡大により、ベルリンは位置的にはヨーロッパの中心になったが、世界各地と繋がった中東欧へのゲートウェイとなるのは、当分先となりそうだ。【長嶋】
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